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障害年金はどんな条件でいくらもらえる?等級別の金額、申請手続きやもらえない人の注意点も解説
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執筆者:
公開:
2025.06.12
更新:
2026.04.06
病気やケガで働きづらくなったとき、「障害年金はいくらもらえるのか」「自分は対象なのか」「確定申告や税金はどうなるのか」と不安を抱える人は少なくありません。一方で、障害年金は基礎・厚生や等級など制度が複雑で、誤解や手続きミスにより本来受け取れるはずの給付を逃してしまうおそれもあります。この記事では、障害年金の種類と等級ごとの金額目安、受給できない主なケース、確定申告との関係までを整理し、自分や家族のケースで何を確認すべきかを分かりやすく解説します。
障害年金とは?対象者と基本的な仕組みを理解しよう
障害年金は、病気やケガなどで所定の障害状態に陥ったときに支給される年金です。対象者や受給資格など、基本的な仕組みから確認しましょう。
年金の基本的な仕組み
障害年金は、病気やケガによって生活や仕事などが制限される状態になったとき、生活を支えるために支給される年金です。社会保険制度の一つとして、大切な役割を果たしています。
- 一般的に「年金」として認識されている老齢年金は、原則として65歳から(60歳から繰り上げることも可能)受け取ります。しかし、障害年金は要件をクリアしていれば、現役世代の方でも受給できます。
| 年金の種類 | 主な要件 | 対象者 |
|---|---|---|
| 障害基礎年金 | 病気やけがで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合 | 自営業者や専業主婦(夫) |
| 障害厚生年金 | 病気やけがで初めて医師の診療を受けたときに厚生年金に加入していた場合 | 会社員(厚生年金保険に加入している短時間労働者含む) |
| 障害共済年金 | 病気やけがで初めて医師の診療を受けたときに共済年金に加入していた場合 | 公務員 |
働き方によって、受け取れる年金の種類や金額は異なります。今現在の働き方に応じて、「もし今障害状態になったら、どの年金を受け取れるのか」を確認してみてください。
障害年金の受給要件と初診日の重要性
障害年金を受給できるかどうかを判断する際に重要となるのが、「初診日」「障害認定日」「保険料納付要件」です。
| 言葉の意味 | 障害基礎年金における要件 | 障害厚生年金(障害共済年金)における要件 | |
|---|---|---|---|
| 初診日 | 障害の原因となった病気やケガについて、はじめて医師または歯科医師の診療を受けた日 | 初診日が次のいずれかの間にあること ・国民年金加入期間 ・20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間 | 初診日が厚生年金保険の被保険者である間にある |
| 障害認定日 | 障害の程度を定める日のこと。障害の原因となった病気やケガについての初診日から起算して1年6カ月を経過した日、または1年6カ月以内にその病気やけがが治った日(症状が固定した場合) | 障害認定日(障害認定日以後に20歳に達したときは、20歳に達した日)に、障害等級表に定める1級または2級に該当していること | 障害認定日に、障害等級表に定める1級から3級のいずれかに該当していること |
| 保険料納付要件 | 初診日の前日における国民年金保険料、厚生年金保険料の納付実績 | 初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で保険料納付済期間・保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること (ただし、初診日が2036(令和18)年3月末日までで初診日において65歳未満の場合、初診日の前日において初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよい)※ | 初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で保険料納付済期間・保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること (ただし、初診日が2036(令和18)年3月末日までで初診日において65歳未満の場合、初診日の前日において初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよい) |
※20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合、納付要件は不要
保険料納付要件はやや複雑ですが、「きちんと保険料を納付していれば問題ない」という理解で差し支えありません。会社員や公務員の方であれば、給与天引きで社会保険料を納めるため、納付漏れのリスクはほとんどないでしょう。
- 障害年金を受給できる期間は、障害認定日が属する月の翌月分からです。障害認定日に障害等級に該当しておらず、あとになって障害等級に該当した場合は、請求日が属する月の翌月分から受給対象となります。
なお、障害年金は障害状態が続く限り受給できます。ただし、障害状態に該当しなくなったら支給停止となったり、等級が下がることで支給額が減ったりすることがある点に注意しましょう。
障害年金と他の年金制度の関係
障害基礎年金と障害厚生年金は併給できます。例えば、会社員の方が厚生年金保険加入中に初診日・障害認定日・保険料納付要件をクリアし、障害等級表に定める1級または2級に該当する場合は「障害基礎年金+障害厚生年金」を受給できます。
年金の種類に関しては、こちらのFAQも参考にしてみてください。
障害年金はいくらもらえる?支給額をチェック
続いて、障害年金の支給額を解説します。等級ごとの具体的な支給額や、実際の受給データを紹介するので、参考にしてみてください。
まずは、厚生年金法や厚生年金法で定められている障害等級の程度を確認しましょう。
| 障害等級 | 障害の程度 | 具体例 |
|---|---|---|
| 1級 | 身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの | ・両眼の視力がそれぞれ0.03以下のもの ・両上肢の機能に著しい障害を有するもの ・両下肢を足関節以上で欠くもの ・精神の障害であって、他の障害と同程度以上と認められる程度のものなど |
| 2級 | 身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるかまたは日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの | ・両眼の視力がそれぞれ0.07以下のもの ・両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠くもの ・体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの ・精神の障害であって、他の障害と同程度以上と認められる程度のものなど |
| 3級(障害厚生年金のみ) | 労働が著しい制限を受けるか、または労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの | ・両眼の視力がそれぞれ0.1以下に減じたもの ・身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの ・精神又は神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すものなど |
| 障害手当金(障害厚生年金のみ) | 傷病が治ったもので、労働が制限を受けるか、労働に制限を加えることを必要とする程度のもの | ・両眼の視力がそれぞれ0.6以下に減じたもの ・身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの ・精神又は神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
身体的な障害だけでなく、精神的な障害を抱えた場合も、障害年金の支給対象となります。昨今はメンタルヘルスの不調をきたしてしまう人が増えているため、「精神疾患でも障害年金の対象になる可能性がある」という点は知っておくとよいでしょう。
障害基礎年金の支給額(1級・2級)
2026(令和8)年度における、障害基礎年金の支給額は以下のとおりです。
| 1級 | 2級 | |
|---|---|---|
| 昭和31年4月2日以後生まれ | 1,059,125円(月額 88,260円)+子の加算 | 847,300円(月額 70,608円)+子の加算額 |
| 昭和31年4月1日以前生まれ | 1,056,125円(月額 88,010円)+子の加算額 | 844,900円(月額 70,408円)+子の加算額 |
子の加算額は、2人までは1人につき243,800円、3人目以降は1人につき81,300円です。18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子が、加算対象に該当します。
例えば、1956(昭和31)年4月2日以後生まれで障害等級1級に該当し、加算対象となる子が2人いる場合、障害基礎年金額は1,546,725円です(1,059,125円+243,800円+243,800円)。。
なお、厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2024(令和5)年における障害基礎年金の受給者平均年金月額は72,891円(年額で874,692円)でした。
障害厚生年金の受給額(1級・2級・3級)
続いて、障害厚生年金の受給額を見てみましょう。
| 1級 | 2級 | 3級 | |
|---|---|---|---|
| 1956(昭和31)年4月2日以後生まれの方 | (報酬比例の年金額)×1.25+配偶者の加給年金額(243,800円) | 配偶者の加給年金額(243,800円) | 報酬比例の年金額(最低保障は635,500円) ※昭和31年4月1日以前生まれ:633,700円 |
配偶者の加給年金額は、年金受給者に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいるときに加算されます。
報酬比例部分とは、厚生年金保険への加入期間や加入期間中の報酬に応じて決まるもので、計算式は以下のとおりです。
- 平成15年3月以前の加入期間:平均標準報酬月額×7.125÷1000×平成15年3月以前の加入月数
- 平成15年4月以降の加入期間:平均標準報酬月額×5.481÷1000×平成15年月以降の加入月数
厚生年金期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算します。これにより、厚生年金への加入期間が短い状況で障害状態に該当した方でも、極端に年金額が少なくなることはありません。
なお、厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2024(令和5)年における障害厚生年金の受給者平均年金月額は102,691円(年額で1,232,292円)でした。
障害年金生活者支援給付金の受給額
障害基礎年金を受給しており、前年の所得が4,721,000円(扶養親族数により異なる)以下の方は、障害等級に応じて「障害年金生活者支援給付金」が支給されます。
- 障害等級が2級の方:月額5,620円
- 障害等級が1級の方:月額7,025円
障害基礎年金の上乗せとなる給付ですが、自動的に支給されるわけではありません。年金事務所への申請が必要となる点は押さえておきましょう。
障害年金の申請ステップと診断書取得のポイント
障害年金の申請手続きは複雑です。手続きの際には医師の診断書が必要であり、実際に障害年金が支給されるかどうかは診断書を基に判断されます。

出典:政府広報オンライン
障害年金を申請する際の流れや、医師に診断書を書いてもらうときの注意点を確認しましょう。
障害の状態を証明できる書類が必要になる
障害基礎年金や障害厚生年金を申請する際には、以下の書類を用意しなければなりません。
必要書類
- 基礎年金番号がわかる書類
- 戸籍謄本・戸籍抄本・戸籍の記載事項証明・住民票・住民票の記載事項証明書のいずれか(単身者の方で、日本年金機構にマイナンバーが登録されている方は不要)
- 医師の診断書(障害認定日より3カ月以内の現症のもの)
- 受診状況等証明書(初診時の医療機関と診断書を作成した医療機関が異なる場合)
- 病歴・就労状況等申立書
- 受取先金融機関の通帳
申請書類の提出先は、住所地の市区町村役場の窓口です。ただし、初診日が国民年金第3号被保険者期間中の場合は、年金事務所または年金相談センターに提出しましょう。
診断書の取得方法と注意点
医師の診断書と受診状況等証明書は、日本年金機構のWebサイトからダウンロードするか、年金事務所や年金事務センターから入手できます。入手できたら、医師に証明してもらいましょう。
症状に応じた診断書を使用する
障害年金を申請する際の診断書は、障害の部位別に分かれています。例えば、「眼の障害用の診断書」「聴覚・鼻腔機能・平衡感覚・そしゃく・嚥下・言語機能の障害用の診断書」などがあるため、病状に応じて適切な診断書を用意しましょう。
医師へ正確な情報を提供する
障害年金を受給できるかどうかは、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に基づいて決定します。障害等級に該当するかどうかを適切に判断するためには、医師が証明する診断書の内容が、詳細かつ具体的でなければなりません。
医師に診断書を書いてもらうときは、現状を正確に伝える必要があります。自分が感じている現状と証明された診断書の内容に齟齬がないか、記入漏れはないか確認しましょう。
例えば、自分自身では回復している実感がないにもかかわらず、診断書で「軽快している」「症状が軽くなっている」と記載されていると、不支給になったり障害等級が低くなったりする可能性があります。
証明を依頼する医師と丁寧にコミュニケーションを取りながら、具体的かつ詳細な内容で証明してもらいましょう。
障害状態確認届(診断書)が届いたとき
障害年金の受給を開始したあと、引き続き障害年金を受ける権利があるかどうかを確認するために「障害状態確認届(診断書)」が送られてくる場合があります。「障害年金の更新」とも呼ばれます。
誕生月の3カ月前の月末に日本年金機構より送付されるため、医師に証明してもらったうえで、誕生月の末日までに日本年金機構へ提出しましょう。
障害状態確認届(診断書)の提出が遅れたり、記載内容に不備があったりすると、年金の支払いが止まることがあります。また、証明書の内容次第では障害年金の支給が止まることがあるため、医師と丁寧にコミュニケーションを取りながら証明してもらいましょう。
どこに相談すればいい?
障害年金に関する手続きで不明点があれば、年金事務所や年金事務センターで相談するとよいでしょう。必要書類や手続きの流れなど、正確な情報を教えてもらえます。
日本年金機構より「障害状態に該当していない」と判断された場合でも、支給基準を満たしていることを証明できる書類を用意したうえで審査請求をしたり、診断書を書き直してもらって再申請したりする方法があります。
社会保険労務士やNPO法人の中には、障害年金の申請サポートをしているところがあります。必要に応じて、必要書類の書き方を教えてもらえたり、医師に診断書を書いてもらうときに同行してもらったりするとよいでしょう。
障害年金がもらえない人の主なケース
障害年金には「初診日」「障害認定日」「保険料納付要件」があり、すべての要件を満たさなければ受給できません。例えば、以下に該当する方は障害年金をもらえないため、注意が必要です。
障害年金がもらえない主なケース
- 障害認定日に障害状態に該当していない
- 保険料の未納期間があり納付要件を満たしていない
- 初診日が確認できず、証明書類が取れないケース
- 初診日が65歳以降のケース
- 軽度で障害等級に該当しないケース(精神疾患含む)
障害年金を受給するには、障害認定日において病気やケガの状態が障害認定基準に該当する必要があります。また、国民年金第1号被保険者の方は自分で保険料を納付しなければならないため、納付漏れがあると保険料納付要件をクリアできない可能性が考えられるでしょう。
保険料納付要件をクリアできない事態を防ぐためには、きちんと保険料を納付することが大切です。もし未納期間がある場合は、速やかに追納しましょう。追納の手続きやメリットに関しては、こちらの記事もご覧ください。
障害年金の注意点:所得制限やデメリットを把握しよう
障害年金には所得制限や老齢年金への影響など、いくつか気をつけるべきポイントが存在します。
健康保険の扶養から外れる可能性がある
障害年金の受給額が180万円以上の方は、健康保険の扶養から外れなければなりません。また、障害年金の受給額が180万円未満でも、受給額が同一世帯の被保険者の年間収入の1/2以上(別世帯の場合は被保険者からの援助額以上)の場合も、健康保険の扶養から外れます。
健康保険の扶養から外れた場合は、自分自身で国民健康保険に加入する必要があるため、市区町村の役場で手続きをしましょう。ただし、障害等級1級・2級の障害年金を受給している方は国民年金保険料が免除されます。
国民年金保険料が法定免除されることによる老齢年金の受給額が減る
障害等級1級・2級の障害年金を受給している方は、国民年金保険料が法定免除となります。免除期間中は「保険料の半額を納付した」とみなされるため、将来老齢基礎年金を受給するときに影響が出る可能性があります。
ただし、障害等級2級に基づく障害基礎年金は、満額の老齢基礎年金と同額です。一般的に、老齢基礎年金よりも障害基礎年金を受給し続けたほうが、経済的メリットは大きいでしょう。
遺族給付がない
障害基礎年金を受給したことがある人が死亡したとき、遺族給付である寡婦年金や死亡一時金が支給されません。
遺族年金に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。万が一の事態に備えるためにも、あわせてご覧ください。
20歳前発症の場合は所得制限がある
20歳前に初診日がある傷病が原因で障害基礎年金を受給する場合、一定の所得制限があります。
扶養親族がない方の場合、前年の所得が3,704,000円を超える場合と年金額の1/2が、4,721,000円を超えると全額支給停止となります(扶養親族がいる場合は、扶養親族1人につき所得制限額が380,000円上乗せ)。
生活保護や他の給付との関係を確認しよう
障害年金を受給すると、生活保護や老齢年金、失業保険など他の制度にも影響します。具体的な影響を理解し、社会保険や税金の手続きで損をしないように気を付けましょう。
生活保護と障害年金の関係
生活保護と障害年金は併給できます。ただし、障害年金を受給すると生活保護費から年金額が差し引かれるため、実質的な総受給額は変わりません。
つまり、生活保護を受給中に障害年金を受給すると、障害年金の分だけ生活保護が減額・調整される仕組みです。「障害年金額>生活保護費」の場合は、そもそも生活保護の支給がストップします。
老齢年金と障害年金の関係
65歳に到達し、障害基礎年金と老齢基礎年金の受給権を有した場合、いずれか一方を選択します。ただし、障害基礎年金と老齢厚生年金は併給が可能です。
なお、老齢基礎年金を繰上げ受給した後に障害状態になった場合は、原則として障害基礎年金を受給できません。
老齢年金と遺族年金に関する調整については、こちらのFAQをご覧ください。
失業保険と障害年金の関係
失業保険と障害年金は併給可能です。併給調整の規定がないため、それぞれの受給権があれば両方を受給できます。
ただし、失業保険を受け取るには「働く意思と能力があること」という条件をクリアしなければなりません。
そのため、失業保険を受け取ると「いつでも働ける状態である」ことを意味します。失業保険を受け取っている事実から、障害年金の新規申請時や更新時に不利になる可能性がある点には注意が必要です。
確定申告と障害年金の関係
障害年金は非課税であるため、収入が障害年金だけの場合は、確定申告をする必要はありません。ただし、障害年金以外に収入がある場合は、当該収入について確定申告が必要となります。
なお、障害者本人や扶養家族に障害者がいる場合は、以下の障害者控除を受けられます。
| 控除対象者区分 | 所得控除額(年間) |
|---|---|
| 障害者 | 27万円 |
| 特別障害者 | 40万円 |
| 同居特別障害者 | 75万円 |
会社員の場合は勤務先の年末調整で、個人事業主の場合は確定申告で障害者控除を受けられるため、忘れずに申告しましょう。
なお、年金と税金の関係は、以下の記事で詳しく解説しています。
働けなくなったときの流れと対処法
実際に障害状態に陥り働けなくなった場合、どのようなプロセスを経て障害年金の受給に至るのでしょうか。
会社員と自営業者の場合で、それぞれ解説します。
会社員の場合
会社員が病気やケガなどで働けなくなった場合、以下のような流れで手続きが進みます。
会社員の場合
- 勤務先で有給休暇を消化する
- 健康保険の傷病手当金の受給(最長1年6カ月)
- 1年6カ月経過後、障害等級に該当している場合は障害年金を受給する
有給休暇の残日数は個人差があるため、一概にはいえません。
有給休暇の日数がなくなると、健康保険から傷病手当金を受給します。受給額は「直近12カ月間の標準報酬月額の平均÷30日) × 2/3」で、おおむね月給の2/3程度をイメージするとよいでしょう。
傷病手当金を受給できる期間は、最長で1年6カ月です。受給満了のタイミングで障害年金の障害等級に該当している場合、障害基礎年金と障害厚生年金を受給する流れとなります。
自営業者の場合
自営業者には、有給休暇という概念がありません。また、自営業者が加入する国民健康保険には傷病手当金の制度がないため、働けない状態になったら障害基礎年金の申請を検討することになります。
自営業者の場合は障害厚生年金を受給できないため、会社員よりも受給できる年金額は少なくなります。社会保障が薄いため、必要に応じて就業不能保険で備えるとよいでしょう。
就業不能保険とは、病気やケガなどで「所定の就業不能状態が一定期間継続した場合」に、保険金を受け取れる保険商品です。保険金の受け取り方は一時金・年金などさまざまで、受給要件も「医師の指示による在宅療養中の状態」「国民年金の障害等級1級または2級に認定された状態」など、保険商品ごとに定められています。
障害年金に関する留意点
障害年金は非課税なので確定申告が不要
障害基礎年金・障害厚生年金はいずれも所得税・住民税ともに非課税です。そのため、収入が障害年金だけの場合は、金額にかかわらず確定申告は不要で、「〇円以上から申告が必要」というラインも存在しません。
がんを理由に障害年金を受け取るのは難しい
障害年金で重視されるのは、病名そのものではなく、がんや治療の影響によって「日常生活や仕事がどの程度制限されているか」という障害の状態です。たとえば、手術や治療の結果として人工肛門・人工膀胱を造設した場合、四肢の機能が大きく低下した場合、抗がん剤の副作用で強い倦怠感や神経障害が残り、身の回りのことや就労に大きな支障が出ている場合などは、等級に該当する可能性があります。
詳しくは、こちらのQ&Aも参考にしてみてください。
この記事のまとめ
この記事では、障害基礎年金と障害厚生年金の違い、等級ごとの支給額の目安、もらえない主なケース、税金や確定申告との関係、一般障害者などの用語を整理してきました。次は、ご自身や家族の加入歴や初診日、現在の生活状況を照らし合わせ、受給の可能性や申請の準備状況をチェックしてみてください。判断に迷う部分があれば、年金事務所や社労士、投資のコンシェルジュの無料相談も活用し、不安を一人で抱え込まないことが大切です。

金融系ライター
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
関連する専門用語
障害基礎年金
障害基礎年金とは、病気やけがによって日常生活に支障が出るような障害が残った場合に、国民年金から支給される公的年金です。これは主に自営業者や専業主婦、学生など、国民年金のみに加入している人を対象とした制度です。障害の程度は「障害等級」によって判断され、1級または2級に該当すると支給されます。 20歳前に発病した障害でも、一定の条件を満たせば対象になります。生活に必要な最低限の所得保障として位置づけられており、障害を負った人の生活支援や就労支援の基盤となる重要な制度です。公的年金制度の一部であり、老齢基礎年金や遺族基礎年金と並ぶ3つの柱の一つとされています。
障害厚生年金
障害厚生年金とは、厚生年金保険に加入していた人が、病気やケガによって障害を負った場合に支給される年金のことです。これは公的年金制度の一部であり、会社員や公務員など、厚生年金に加入している人が対象となります。支給されるためには、初診日(最初に医師の診察を受けた日)に厚生年金に加入していたこと、一定の保険料納付要件を満たしていること、そして国の定める障害等級(1級~3級)に該当することが条件です。 1級・2級の場合には基礎年金とあわせて支給され、3級や一部の障害手当金は厚生年金独自の給付です。働いていた人が予期せず障害を負ったときに、生活の支えとなる収入を確保する制度であり、リスクに備える公的保障として重要な役割を果たしています。
障害年金
障害年金とは、病気やケガによって日常生活や就労に支障がある状態となった場合に、一定の条件を満たすと受け取ることができる公的年金の一種です。これは、老後に受け取る老齢年金とは異なり、まだ働き盛りの年齢であっても、障害の状態に応じて生活を支えるために支給されるものです。 受け取るためには、初診日の時点で年金制度に加入していたことや、一定の保険料納付要件を満たしていること、そして障害の程度が法律で定められた等級に該当することが必要です。障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があり、どの年金制度に加入していたかによって対象や支給額が異なります。これは障害を抱えながらも暮らしていく人の経済的な支えとなる大切な制度です。
障害等級
障害等級とは、病気やけがによって生じた障害の程度を国が定めた基準に基づいて分類した等級のことです。障害年金の支給にあたっては、この等級によって受給の可否や支給額が決まります。等級は原則として1級から3級まであり、1級が最も重く、日常生活のほとんどに介助が必要な状態を指します。 2級は日常生活に著しい制限がある場合、3級は労働に一定の支障がある程度とされます。また、障害基礎年金では1級と2級が対象となり、障害厚生年金では1級から3級までが支給対象になります。障害等級の判定は、医師の診断書や本人の生活状況に基づいて行われ、公的年金制度における支給判断の根拠となる非常に重要な指標です。
障害認定日
障害認定日とは、障害年金を受け取る際に「この時点で障害の状態が一定の等級に該当していたかどうか」を判断するための基準となる日付のことをいいます。具体的には、病気やけがで初めて医療機関を受診した日(初診日)から原則として1年6か月が経過した日、またはその期間内に治った場合にはその日が障害認定日になります。 この日を基準にして、医師の診断書をもとに障害の程度が1級、2級(または3級)などに当てはまるかどうかが判定されます。障害認定日は年金の支給開始時期を左右する重要な要素であり、正確な把握が必要です。特に申請時には、この日をもとに診断書を提出する必要があるため、障害年金の手続きにおいて非常に大切な日付とされています。
国民年金
国民年金とは、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が原則として加入しなければならない、公的な年金制度です。自営業の人や学生、専業主婦(夫)などが主に対象となり、将来の老後の生活を支える「老齢基礎年金」だけでなく、障害を負ったときの「障害基礎年金」や、死亡した際の遺族のための「遺族基礎年金」なども含まれています。毎月一定の保険料を支払うことで、将来必要となる生活の土台を作る仕組みであり、日本の年金制度の基本となる重要な制度です。






