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定期預金は今どう使う?メリット・デメリットと国債との違いを徹底比較

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定期預金は今どう使う?メリット・デメリットと国債との違いを徹底比較

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執筆者:

公開:

2025.03.07

更新:

2026.06.10

退職金定期預金債券インフレ対策

金利上昇を受けて、定期預金を資産の置き場として見直す人が増えています。一方で、元本保証という安心感だけで選ぶと、インフレによる実質的な目減りや、退職金専用定期預金の手数料リスクを見落とすおそれがあります。この記事では、定期預金のメリット・デメリット、向いている人、個人向け国債との違いまで具体的に解説します。

サクッとわかる!簡単要約

この記事を読むと、定期預金が「増やす商品」ではなく「守る商品」としてどのような場面で役立つのかを理解できます。金利や安全性だけでなく、インフレリスク、ペイオフ、途中解約、退職金専用プランの注意点を踏まえ、自分の資金を定期預金・普通預金・個人向け国債・投資へどう振り分けるべきか判断できるようになります。

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目次

最新の日銀資金循環統計に見る定期預金の活用状況

定期預金の仕組みと基本

定期預金の3つのメリット

メリット1.元本保証で資産を守れる安全性

メリット2.金利が固定で将来の利息を計算しやすい

メリット3.手間なく強制的に貯蓄できる

定期預金の5つのデメリット

デメリット1.インフレに弱く実質的に目減りする

デメリット2.金利が低くまとまった利息は得にくい

デメリット3.運用の機会損失が大きい

デメリット4.途中解約で利息が大きく減る

デメリット5.投信抱き合わせで手数料がかさむ恐れ

定期預金を有効活用すべき場面

定期預金が向いている人の特徴

元本割れを絶対に避けたい人

1〜3年以内に使う予定の資金を安全に置いておきたい人

自分で運用に手間をかけたくない人

定期預金が向いていない人の特徴

インフレに負けないペースで資産を増やしたい人

1,000万円を超える資金を一つの銀行にまとめて預けたい人

預けたお金を頻繁に出し入れする可能性がある人

高齢者が注意すべき退職金専用定期預金とは?

退職金専用定期の3つの注意点

注意点1.優遇期間終了後は通常金利以下になることがある

注意点2.途中解約すると高金利は付かず利息はほぼゼロに

注意点3.投資信託の抱き合わせ条件の有無を必ず確認する

定期預金と個人向け国債を選ぶならどっち?

定期預金・個人向け国債が向いている人を整理

最新の日銀資金循環統計に見る定期預金の活用状況

日本銀行が2026年3月18日に公表した資金循環統計(2025年第4四半期速報)によると、2025年12月末時点の家計の金融資産残高は2,351兆円となり、過去最高を更新しました。前年同期と比べて118兆円(5.3%)増えており、増加の主因は株式・投資信託といったリスク資産の値上がりです。

出典:日本銀行「資金循環統計(速報)(2025年第4四半期)

このうち現金・預金は約1,139.9兆円で、家計金融資産に占める比率は48.5%でした。現預金比率は前期(2025年9月末)の49.1%から低下し、2四半期連続で5割を下回っています。

背景には、インフレや金利の上昇、新NISAを追い風とした「貯蓄から投資へ」の流れがあり、株式・投資信託の比率は21.6%と過去最高水準に達しました。

  1. それでも、家計資産のおよそ半分が現預金に置かれている状況に大きな変化はありません。日本人が現預金を選ぶ傾向は、戦後を通じて一貫して続いてきた特徴とされ、長くデフレが続いた日本では「増えなくても減らない」現預金が合理的な選択肢になり得た面もあります。

注目したいのは、定期預金を含む「定期性預金」の動きです。長く減少が続いていた定期性預金は、足元で小幅ながら増加に転じました。

日銀の利上げによって定期預金金利が引き上げられたため、満期を迎えた資金の再預け入れや、普通預金など流動性預金からの資金移動が進んだとみられています。「金利のある世界」への転換を受けて、定期預金が改めて選択肢として意識され始めているといえるでしょう。

政府が進める資産運用立国については、こちらの記事でも解説しています。

定期預金の仕組みと基本

定期預金とは、数ヶ月から数年といった預入期間を定めて預け、満期まで原則として引き出さない代わりに、普通預金より高い金利が約束される商品です。利率は契約時に確定する「固定金利」が一般的ですが、市場に合わせて見直される「変動金利」もあります。満期になれば元本と利息をまとめて受け取れる仕組みです。

普通預金がいつでも出し入れできる「流動性重視」の口座であるのに対し、定期預金は一定期間お金を動かさない前提で金利が上乗せされます。両者の違いを整理すると、次のとおりです。

項目普通預金定期預金
引き出しいつでも可能原則は満期まで(中途解約は可能だが金利が下がる)
金利低め普通預金より高め
金利の確定変動固定が一般的
主な役割日常の出し入れ・決済当面使わない資金の保管
普通預金と定期預金の違い

2025年12月の日銀の利上げを受け、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行のメガバンク3行は、2026年2月2日から普通預金金利を年0.20%から年0.30%へ引き上げました。マイナス金利政策の解除前にあたる2024年3月時点では普通預金金利が年0.001%だったことを踏まえると、預金を取り巻く金利環境は大きく変わっています。

定期預金の3つのメリット

定期預金の魅力は、元本が守られる安心感と、計画の立てやすさ、そして手間のかからない貯蓄機能にあるといえるでしょう。ここでは代表的な3つのメリットを順に見ていきます。

メリット1.元本保証で資産を守れる安全性

定期預金の最大のメリットは、預けた元本が守られる安全性です。投資商品と違い、相場の変動で元本が目減りすることはありません。

なぜここまで安全といえるかというと、預金保険制度(ペイオフ)によって、万が一銀行が破綻しても預金者1人あたり元本1,000万円とその利息までが保護されるからです。ペイオフとは、金融機関が破綻したときに一定額までの預金を払い戻す公的な保護の仕組みです。退職金のような大切な資金を守りたい場合に、この安全性は心強い土台になります。

出典:預金保険機構「預金保険制度の概要」

メリット2.金利が固定で将来の利息を計算しやすい

預入時に金利と満期が確定するため、将来受け取れる利息を正確に見積もれます。相場の上下を気にせず、着実に資産を積み上げたい人に向いた特徴です。

金利は普通預金より高く設定されるのが基本で、金融機関のキャンペーンを活用すれば、さらに有利な条件で預けられる場合もあります。受け取る利息の額が事前に分かるため、教育費や住宅購入など、使う時期が決まっている資金の計画も立てやすくなります。

メリット3.手間なく強制的に貯蓄できる

一度預け入れれば、満期まで特別な手続きは必要ありません。投資のように日々の値動きを追う必要がなく、手間をかけずに資産形成を進められます。

  1. 簡単には引き出せない性質から、「ついお金を使ってしまう」のを防ぐ効果も期待できます。自動積立や自動継続のサービスを組み合わせれば、給与の一部を計画的に積み立てる仕組みとしても機能するでしょう。

定期預金の5つのデメリット

安全で分かりやすい定期預金にも、見落とすと損につながる弱点があります。ここでは「やめたほうがいい」と語られる背景にある5つのデメリットを、根拠とあわせて確認します。

デメリット1.インフレに弱く実質的に目減りする

定期預金はインフレ(物価上昇)に弱い商品です。元本は減らなくても、物価が上がればお金の購買力は下がってしまいます。

理由は、定期預金の金利よりも物価上昇率が高いと、実質的な資産価値が目減りするためです。たとえば物価が年2%上昇する局面で金利0.4%の定期預金に預けると、差し引き約1.6%分、買えるモノの量が実質的に減る計算になります。

日銀は2025年度のコア消費者物価上昇率を2%台後半と見込んでおり、預金金利がこれを下回る状況では、額面が変わらなくても価値が薄まる点に注意が必要です。

出典:日本銀行「経済・物価情勢の展望(2025年)」

なお、インフレが株価や生活にもたらす影響に関しては、こちらの記事もあわせてご覧ください。

デメリット2.金利が低くまとまった利息は得にくい

定期預金は安全な反面、リターンが小さい「ローリスク・ローリターン」の商品です。短期間で資産を大きく増やす用途には向きません。

メガバンクの1年もの定期預金金利はおおむね年0.4%前後で、たとえば100万円を1年預けても税引き前の利息は4,000円程度にとどまります。ネット銀行では通常でも年1.0〜1.2%程度の定期預金が見られ、預け先によって差が出るものの、株式や投資信託のような値上がり益は期待できません。

同じ「定期預金」でも預け先で利息は数倍変わる

  1. 「定期預金は増えない」と一括りにする前に、預け先を見直す価値があります。メガバンクとネット銀行では、同じ1年定期でも金利が3倍前後違うケースが珍しくありません。安全性はどちらも預金保険(1金融機関1,000万円まで)で守られるため、1,000万円の範囲内であれば、金利の高いネット銀行を選ぶだけで利息を上乗せできます。

デメリット3.運用の機会損失が大きい

退職金などまとまった資金を全額定期預金にすると、より高いリターンを得る機会を逃す可能性があります。一定のリスクを取れる資金まで預金に寝かせると、長期では差が大きくなりがちです。

たとえば2,000万円を「全額定期預金(年0.5%)」と「半分を投資信託(期待利回り5%)・半分を定期預金(年0.5%)」で運用した場合を比べると、複利を前提とした試算では次のようになります。

経過年数ケース①:全額定期預金ケース②:投信+定期預金の合計
10年後21,022,803円26,800,347円(投信16,288,946円/定期10,511,401円)
15年後21,553,655円31,556,109円(投信20,789,282円/定期10,776,827円)
20年後22,097,912円37,581,933円(投信26,532,977円/定期11,048,956円)
運用の差

20年後には約1,548万円の差が生じる計算です。ただし、これは取り崩さずに運用し続ける前提であり、実際に生活費として引き出せば結果は変わります。

なお、投資信託は価格が日々変動し、運用成果によっては元本割れもあり得ます。毎年5%で増え続ける保証はないため、リスクを理解したうえで配分を考えることが欠かせません。

定期預金以外にも、さまざまな投資商品があります。詳しくはこちらの記事で解説しているので、参考にしてみてください。

デメリット4.途中解約で利息が大きく減る

定期預金を途中で解約する最大のデメリットは、受け取れる利息が想定より大きく減る点です。満期まで預ける前提で金利が設計されているため、中途解約すると当初の金利では計算されません。

途中で解約すると「中途解約利率」が適用され、普通預金並みの低い金利に下がるのが一般的です。

  1. さらに、解約後に同じ条件で預け直せるとは限らず、金利環境が変わっていれば再預入時の利回りがかえって悪くなることもあります。途中解約を前提にすると、金利変動の影響を受けやすくなる点は押さえておきましょう。

デメリット5.投信抱き合わせで手数料がかさむ恐れ

「退職金専用定期預金」など一部の特別プランには、高い金利と引き換えに「投資信託を同時に購入する」条件が付く場合があります。セットで勧められる投資信託は、購入時の販売手数料や保有中の信託報酬が割高なケースが少なくありません。信託報酬とは、投資信託を保有している間ずっと差し引かれる運用・管理コストを指します。

極端な例では、定期預金の利息よりも投資信託の購入手数料のほうが高くつき、合計で損をしてしまうこともあります。高金利という「入口の魅力」に引かれて、不要なコストを背負わないよう注意してください。

よくあるキャンペーンに関しては、こちらのQ&Aを参考にしてみてください。

定期預金を有効活用すべき場面

定期預金は「増やす道具」としては力不足でも、「守る道具」としては有効です。とくに生活防衛資金の保管先として、その安全性と分かりやすさが活きてきます。

生活防衛資金とは、病気やけが、突然の収入減など予期せぬ事態が起きたときに、当面の暮らしを支えるためのお金です。一般に月々の生活費の6ヶ月分から1年分が目安とされ、すぐに使える安全な形で備えておくことが推奨されます。収入が変わりやすい退職後は、この備えの重要性がいっそう増すでしょう。

たとえば1ヶ月の生活費が25万円の世帯なら、生活防衛資金の目安は150万円(6ヶ月分)から300万円(1年分)です。この金額を定期預金で確保しておけば、いざという時の安心につながります。

生活防衛資金の置き場を選ぶ際は、金利の高さよりも次の2点を優先しましょう。

生活防衛資金の置き場

  1. 必要なときにすぐ使えること(流動性)
  2. 銀行が破綻しても守られること(安全性:預金保険の対象範囲かどうか)

なお、必要な生活防衛資金の額には個人差があります。家族構成や収入の安定性に応じて、無理のない範囲で目安を設定してください。詳しくは、こちらの記事を参考にしてみてください。

定期預金が向いている人の特徴

定期預金は、資産を「増やす」より「守る」を優先したい人に適しています。安全性と引き換えにリターンは小さいため、向き不向きがはっきり分かれる商品です。

元本割れを絶対に避けたい人

投資に関心はあっても元本が減るのは受け入れられない、という安全志向の強い人には定期預金が向いています。預金保険制度により、1金融機関あたり元本1,000万円とその利息までが保護されるため、退職金のような大切な資金を安全第一で管理したい場合にも適した選択肢です。

リスク許容度は、年齢や収入、資産全体の大きさによって変わります。とくに退職後で新たな収入が見込みにくい人は、損失が出ても給与で取り戻すことが難しいため、資産の一定割合を元本保証の商品に置く意味は大きいといえます。「眠っていても減らない」安心感は、相場下落時に冷静さを保つ土台にもなります。

リスク許容度に考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

1〜3年以内に使う予定の資金を安全に置いておきたい人

住宅購入の頭金や子どもの学費、車の買い替えなど、使う時期と金額が決まっている資金の保管先として最適です。数年以内に確実に必要なお金を値動きのある商品に置くと、いざ使うタイミングで相場が下がっていた場合に取り崩せず、計画が狂うおそれがあります。

  1. 満期を使う時期に合わせて設定すれば、必要なときに元本と利息をそのまま受け取れます。生活防衛資金(生活費の半年〜1年分)の置き場としても有効で、流動性と安全性の両面から安心して備えられるでしょう。

自分で運用に手間をかけたくない人

投資信託や株式のように、日々の値動きを追ったり銘柄を選んだりする手間をかけたくない人にも向いています。定期預金は一度預ければ満期まで放置でき、自動継続や自動積立を使えば管理の負担はほとんどありません。

判断に時間を割けない人や、金融商品の比較に不安がある人にとって、仕組みが単純で結果が読める点は大きな利点です。まずは定期預金で土台を固め、知識がついてから少しずつ投資へ広げる、という段階的な進め方も現実的でしょう。

定期預金が向いていない人の特徴

一方で、資産を積極的に増やしたい人にとって、定期預金は物足りない選択肢でしょう。次のような人は、ほかの方法もあわせて検討する価値があります。

インフレに負けないペースで資産を増やしたい人

定期預金はリターンが小さいため、物価上昇を上回る成長は期待しにくい商品です。物価が年2%上昇する局面で金利0.4%の定期預金に預けると、額面は減らなくても実質的な購買力は目減りしてしまいます。

老後資金のように10年以上先まで使わない長期の資金は、インフレに勝ちやすい資産で運用する選択肢もあります。一定のリスクを取れるなら、投資信託や株式、新NISAの非課税枠の活用が候補です。資金の使う時期で線を引き、長期資金まで定期預金に寝かせない発想が大切になります。

1,000万円を超える資金を一つの銀行にまとめて預けたい人

預金保険(ペイオフ)で保護されるのは、1金融機関あたり元本1,000万円とその利息までです。これを超える資金を1行に集中させると、万が一の破綻時に全額は保護されません。

対策としては、複数の銀行に口座を分けて1,000万円ずつ預ける方法のほか、元本保証で上限のない個人向け国債と組み合わせる方法があります。退職金のようにまとまった資金を扱うときほど、「1金融機関1,000万円」の線を意識した分散が欠かせません。

預けたお金を頻繁に出し入れする可能性がある人

定期預金は満期まで預ける前提で金利が設計されており、途中で解約すると中途解約利率が適用され、利息が大きく減ります。近いうちに使うか分からない資金や、急な出費に備えるお金は、定期預金より普通預金や流動性の高い置き場のほうが適しています。

  1. 使う予定が読めない資金まで定期預金に入れてしまうと、結局は途中解約して優遇を取り逃すことになりかねません。「当面動かさない」と言い切れる資金かどうかが、定期預金に向くかを見分ける一つの目安です。

高齢者が注意すべき退職金専用定期預金とは?

退職金を受け取った人向けに、銀行が特別プランとして用意するのが「退職金専用定期預金」です。通常より高い金利が魅力に映りますが、利用条件や落とし穴を理解しておく必要があります。

退職金専用定期預金は、通常の定期預金より高い優遇金利が適用されるのが特徴です。ただし、誰でもいつでも使えるわけではなく、対象者や金額、期間に制限があります。通常の定期預金との主な違いは次のとおりです。

項目退職金専用定期預金通常の定期預金
対象者退職金受取後の一定期間内の人のみ(例:1年以内)、一人1回限りが多い原則誰でも利用可能
最低預入額まとまった金額が必要(例:100万円以上)1万円程度から可能な場合が多い
預入上限額退職金の範囲内などの制限がある場合あり制限がない場合が多い
途中解約可能だが優遇金利は適用されず、普通預金並みの低金利になる可能だが普通預金並みの低金利になる
その他条件投資信託等の同時購入が条件の場合あり通常なし
退職金専用定期預金と通常の定期預金の違い

実際に取り扱う主な金融機関の商品を整理すると、次のようになります。投資信託の購入が不要な「定期預金単体型」と、投信などの同時購入を条件に高金利が付く「投信セット型」に大きく分かれます。

金融機関(商品)タイプ優遇金利(税引前)優遇期間主な条件
西京銀行(退職金特別定期預金)単体型年3.0%3ヶ月営業エリア内が中心、退職金受取後一定期間内
みなと銀行(ワンクッションコース)単体型年1.5%(1ヶ月ものは年2.0%)3ヶ月退職金受取後6ヶ月以内、店頭申込限定
みなと銀行(退職金運用コース)投信セット型年7.0%3ヶ月投資信託を申込総額の50%以上・300万円以上購入
三井住友信託銀行(定期預金コース)単体型各行公表値(要確認)3ヶ月特別金利の適用期間あり(例:2026年4月〜9月)
三菱UFJ信託銀行(ご退職者特別プラン)投信セット型中心年7.2%3ヶ月ファンドラップ等で総額の50%以上を運用、満50歳以上
第四北越銀行(ワンダフルライフ応援定期預金)単体型店頭表示+上乗せ各行公表値退職金受取後1年以内、年金受取指定で上乗せ
退職金専用定期預金の例

出典:西京銀行みなと銀行三菱UFJ信託銀行三井住友信託銀行第四北越銀行

優遇金利の数字は年1.5%から年7%超まで幅がありますが、いずれも適用は3ヶ月程度の短期間に限られ、期間終了後は店頭表示金利(おおむね年0.3〜0.4%前後)に戻るのが一般的です。商品改定も頻繁なため、申込前に必ず各行の最新情報を確認してください。

名目金利を「年率の実質」に直して比べる

  1. 「年3.0%」と聞くと魅力的ですが、適用が3ヶ月だけなら、1年間で見た利息は単純計算で4分の1にとどまります。たとえば100万円を年3.0%(3ヶ月)で預けても、その3ヶ月で得られる税引前利息は約7,500円です。残り9ヶ月が通常金利なら、年間の実質利回りは1%にも届きません。広告の数字ではなく、「1年間で結局いくら受け取れるか」に引き直して比較する習慣をつけると、見かけの高金利に惑わされずに済みます。

ファンドラップについては以下記事をご参照ください

退職金専用定期の3つの注意点

退職金専用定期預金を利用する際は、とくに次の3点に注意しましょう。いずれも「高金利」という言葉の裏側にある条件です。

注意点1.優遇期間終了後は通常金利以下になることがある

魅力的な高金利は最初の数ヶ月だけで、その後の適用金利が問題になります。キャンペーン終了後の金利が、その銀行の通常の定期預金金利よりも低くなるケースすらあります。

預け入れる前に、優遇期間が終わったあとの金利がいくらになるのかを必ず確認しましょう。長期で見ると、ほかの銀行の通常の定期預金のほうが有利だった、という事態にもなりかねません。

注意点2.途中解約すると高金利は付かず利息はほぼゼロに

優遇期間中に急にお金が必要になり解約せざるを得なくなった場合、当初の高い優遇金利は一切適用されません。解約時点までの利息は、普通預金と同程度の極めて低い金利で計算されます。

高金利の恩恵を受けるには、少なくとも優遇期間中は解約しないことが前提です。預け入れる金額は、当面使う予定のない資金に限るなど、資金計画を立ててから利用しましょう。

注意点3.投資信託の抱き合わせ条件の有無を必ず確認する

あわせて注意したいのが、投資信託など他の金融商品の購入がセットになった「抱き合わせ販売」です。高金利と引き換えに「同額以上の投資信託を購入してください」といった条件が付く場合があります。

勧められる投資信託は販売手数料や信託報酬が高めに設定されていることが多く、定期預金で得る利息以上に手数料で損をするリスクがあります。契約前に、条件の有無、その投資信託が本当に自分に必要か、手数料は妥当かを冷静に判断してください。「よく分からないけれどお得そうだから」と安易に契約するのは避けましょう。

参考までに、退職金特別プランで示されるファンドラップ等の手数料水準の一例を挙げます。ファンドラップとは、金融機関に資産運用を一任し、複数の投資信託などへ分散投資してもらうサービスです。

金融機関コース・条件主な手数料提示される優遇金利
三菱UFJ信託銀行ファンドラップコース。預入総額の50%以上を「MUFGファンドラップ」で運用投資一任運用報酬:年0.462〜1.309%、投資信託の信託報酬:年0.23〜0.565%年7.2%(預入期間3ヶ月)
三井住友信託銀行退職金特別プラン「運用50タイプ」。申込総額の50%以上で投資信託またはファンドラップを購入投資顧問報酬(固定):最大年1.760%、成功報酬:運用成果の16.5%、ほか信託報酬年7.2%(預入期間3ヶ月)
退職金専用定期預金と投資信託の抱き合わせ例

このように、高い優遇金利の裏側には継続的なコストが隠れている場合があります。金利だけでなく、手数料を含めた損益で判断する姿勢が欠かせません。

定期預金と個人向け国債を選ぶならどっち?

元本割れの心配が小さい安全資産には、定期預金のほかに個人向け国債があります。リスクを抑えて運用したいなら、両者を比較したうえで選ぶのが賢明です。

個人向け国債は、日本政府が個人投資家向けに発行する債券で、最低1万円から購入できます。固定3年・固定5年・変動10年の3種類があり、変動10年は半年ごとに適用金利が見直されるため、金利上昇の局面で受取利息が増える可能性があります。定期預金との主な違いは次のとおりです。

項目定期預金個人向け国債
安全性高いさらに高い(発行体が国)
流動性高い高い(購入後1年間は中途換金できない)
金利の例メガバンク1年もので年0.4%前後固定3年:年1.51%/固定5年:年1.86%/変動10年:年1.74%(2026年6月募集分、税引前・初回)
金利の見直しなしあり(変動10年のみ、半年に1回)
複利効果元利継続を選べば得られるなし(利子は半年ごとに受け取り)
預金保険の対象対象対象外(国が元本・利子を保証)
中途解約・換金時普通預金並みの金利が適用(金融機関による)直前2回分の各利子相当額×0.79685が差し引かれる
定期預金と個人向け国債の違い

出典:財務省「個人向け国債」発行条件

定期預金は銀行へお金を預ける商品であるのに対し、個人向け国債は政府へお金を貸す商品です。発行体の信用力で見れば国のほうが安心度は高く、安全性は個人向け国債が上回るといえるでしょう。一方、流動性はほぼ互角ですが、個人向け国債は購入後1年間換金できないぶん、わずかに定期預金が勝ります。

  1. 金利水準は近年の上昇局面で逆転しており、2026年6月募集分の個人向け国債はいずれも年1.5%以上と、メガバンクの定期預金を上回っています。今後の金利上昇の恩恵を取り込みたいなら、定期預金より個人向け国債の変動10年が候補になるでしょう。

定期預金・個人向け国債が向いている人を整理

それぞれに向く人をまとめると、次のように整理できます。

定期預金がおすすめの人個人向け国債がおすすめの人
1年以内に解約する可能性がある人
運用期間がおおむね3年以内と短い人
自動積立で手間なく預けたい人
少しでも高い収益性を求める人
運用資金が1,000万円を超える人
金利上昇の恩恵を受けたい人(変動10年)
定期預金・個人向け国債が向いている人

定期預金はいつでも解約できるため、近い将来に使うかもしれない資金や短期の保管に向いています。自動積立を使えば、手間をかけず着実に貯められる点も魅力です。一方、元本の安全性を保ちつつ少しでも高い利回りを狙う人や、1,000万円超の資金を安全に置きたい人には、個人向け国債が適しているでしょう。

1,000万円超は「預金保険の壁」を国債で越える

  1. 定期預金の保護は1金融機関あたり元本1,000万円までですが、個人向け国債は国が元本と利子を保証するため、この上限がありません。まとまった退職金を1行に集中させるより、1,000万円までを高金利のネット定期に、超過分を個人向け国債に振り分けると、安全性を保ったまま利回りも確保しやすくなります。

個人向け国債について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

この記事のまとめ

この記事では、定期預金の仕組みやメリット・デメリット、向いている人と向いていない人、退職金専用定期預金の注意点、個人向け国債との違いを学びました。定期預金は元本を守る手段として有効ですが、長期資金をすべて預けるとインフレや機会損失の影響を受けます。使う時期や金額を整理し、生活防衛資金や短期資金は定期預金、長期資金は投資や国債も含めて検討しましょう。

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柴田充輝

金融系ライター

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

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金利(利率)

金利(利率)とは、お金を貸したり預けたりしたときに発生する利息の割合を表す言葉です。たとえば、銀行にお金を預けると一定の利息がもらえますが、そのときの利息の割合を金利または利率と呼びます。一般的には「金利」が金融機関との貸し借りに使われることが多く、 「利率」は投資商品の収益率などに使われる傾向がありますが、日常的にはほぼ同じ意味で使われています。資産運用の場面では、金利の動きが預金、ローン、債券などの価格や収益に影響を与えるため、金利や利率に注目することはとても大切です。特に経済状況や中央銀行の政策によって金利は変動するため、それを理解しておくことでより良い投資判断につながります。

元本保証

元本保証とは、投資や預金において、満期まで保有すれば最低でも投資した元本が保証される仕組みを指します。銀行預金や一部の保険商品などが該当し、元本が減るリスクを抑えられるため、安全性を重視する人に向いています。しかし、元本保証がある商品は一般的に利回りが低く、インフレによる実質的な購買力の低下を考慮する必要があります。

個人向け国債

個人向け国債とは、日本政府が個人投資家向けに発行する債券で、安全性が高く元本保証が特徴です。最低1万円から購入可能で、3年・5年の固定金利型と10年の変動金利型があります。変動金利型は半年ごとに金利が見直され、市場金利の上昇に伴い受取利息が増加するメリットがあります。 一方、株式投資ほどの高いリターンは期待できず、インフレ時には実質的な資産価値が目減りする可能性があります。また、購入後1年間は中途換金ができず、その後の換金時には直前2回分の利子相当額が差し引かれる点に注意が必要です。銀行預金より高い金利を求めるが、リスクを避けたい投資初心者や安全資産を確保したい方に適した商品です。

複利

複利とは、利息などの運用成果を元本に加え、その合計額を新たな元本として収益拡大を図る効果。利息が利息を生むメリットがあり、運用成果をその都度受け取る単利に比べ、高い収益を期待できるのが特徴。短期間では両者の差は小さいものの、期間が長くなるほどその差は大きくなる。

利回り

利回りとは、投資で得られた収益を投下元本に対する割合で示し、異なる商品や期間を比較するときの共通尺度になります。 計算式は「(期末評価額+分配金等-期首元本)÷期首元本」で、原則として年率に換算して示します。この“年率”をどの期間で切り取るかによって、利回りは年間リターンとトータルリターンの二つに大別されます。 年間リターンは「ある1年間だけの利回り」を示す瞬間値で、直近の運用成績や市場の勢いを把握するのに適しています。トータルリターンは「保有開始から売却・償還までの累積リターン」を示し、長期投資の成果を測る指標です。保有期間が異なる商品どうしを比べるときは、トータルリターンを年平均成長率(CAGR)に換算して年率をそろすことで、複利効果を含めた公平な比較ができます。 債券なら市場価格を反映した現在利回りや償還までの総収益を年率化した最終利回り(YTM)、株式なら株価に対する年間配当の割合である配当利回り、不動産投資なら純賃料収入を物件価格で割ったネット利回りと、対象資産ごとに計算対象は変わります。 また、名目利回りだけでは購買力の変化や税・手数料の影響を見落としやすいため、インフレ調整後や税控除後のネット利回りも確認することが重要です。複利運用では得た収益を再投資することでリターンが雪だるま式に増えますから、年間リターンとトータルリターンを意識しながら、複利効果・インフレ・コストを総合的に考慮すると、より適切なリスクとリターンのバランスを見極められます。

投資信託

投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。運用によって得られた成果は、各投資家の投資額に応じて分配される仕組みとなっています。 この商品の特徴は、少額から始められることと分散投資の効果が得やすい点にあります。ただし、運用管理に必要な信託報酬や購入時手数料などのコストが発生することにも注意が必要です。また、投資信託ごとに運用方針やリスクの水準が異なり、運用の専門家がその方針に基づいて投資先を選定し、資金を運用していきます。

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